若者の間で使われる「ギリ健」とは？アスペや知的障害との違いも解説

仕事のミスを繰り返すギリ健は生きづらさを感じているものの、障害者枠に落ちたくないという方も多いですよね。そこで今回は、知的・精神障害の見分け方を解決した上で、生きづらさを解消する方法も紹介するので、ギリ健から抜け出したい方はチェックしてみましょう。

若者の間で使われる「ギリ健（境界知能）」とは？

「ギリ健（境界知能）」とは、知能指数（IQ）が100を基準としたときに、平均値よりも低い70～85に位置する人を指すことが一般的です。

知能指数（IQ）の計測に用いられるウェクスラー式知能検査では、IQの標準偏差を15とし、85～115を「平均的な知能」と定義しています。また、70～85の数値を「境界知能」、70未満の数値を「知的障害」として取り扱います。

IQが70以上あるので知的障害には当たらないものの、学業や仕事において周囲との能力差を感じやすく、同じミスを繰り返すので生きづらさを感じやすいです。

上記の層は支援が必要であるにもかかわらず、障害者年金も受給できないことから、制度から取りこぼされやすい点が課題とされています。

アスペルガー（ASD）や知的障害との見分け方は？

「ギリ健」と呼ばれる人は、アスペルガー（ASD）や知的障害と異なり診断基準には達しないが、社会適応に困難を抱えることが多いです。

ギリ健と発達障害を見分ける際には、上記の2つの障害の特徴について詳しく理解する必要があります。

アスペルガー（ASD）の場合は対人面で大きな問題があり、知的障害の場合はIQが70を下回っているのが特徴です。

一方、ギリ健は知能・対人関係面で健常域にあっても、社会的な要求や環境の厳しさに適応できず、困難を感じやすい点で特徴づけられます。

過去に発達障害の診断を受けたことがあり、アスペルガー（ASD）や知的障害について気になる方は、以下のサイトもチェックしてみましょう。

貧困状態に陥るとIQが13ポイントも低下する！

知能指数は遺伝的要因が支配的なイメージがありますが、生活習慣や金銭面などの環境的な要因も大きく関わっています。

ハーバード大学の研究によると、貧困状態にあると学習や生活に必要なリソースが酷使されてしまい、IQが最大で13ポイント低下することが示されています。

上記の知能の低下は、アルコールなどの薬物の摂取時や徹夜時に匹敵するものであり、IQ100前後の健常者であってもIQ85未満のギリ健に陥りかねません。

遺伝的な要因だと決めつけて諦める前に、まずは生活習慣や金銭面などの環境面を見直してみましょう。

ギリ健が報われない3つの理由

「ギリ健」と呼ばれる人は、知的障害の基準には該当しないものの、社会で求められるスキルやコミュ二ケーション力に追いつけず苦労することが多いです。

ギリ健が努力しても報われない負のスパイラルを引き起こす、代表的な3つの要因について詳しく解説します。

失敗が許されない日本では1度脱落すると待遇が大幅に低下する

日本社会は「就活」や「キャリア」のミスに対して厳しく、一度失敗すると再起が難しくなりやすいです。

特にIQが平均値よりも低い「ギリ健」と呼ばれる層は、複雑な業務で取り返しの付かないミスを引き起こす傾向があります。

一度社会からドロップアウトすると、安定的な収入を得られなくなることで「貧困状態」に陥り、ギリ健が持つ知能・精神面での問題がさらに悪化していきます。

障害年金2級のハードルが高く精神疾患に陥ってももらえない

社会に適合できなくなり引きこもりの状態になっても、知的・精神的な障害は目に見えないため、単なる甘えや自己責任だと捉えられがちです。

障害年金2級を取って経済的な困窮状態から抜け出そうとしても、手帳取得のハードルが高く、ギリ健程度では認めてもらえません。

障害者雇用（B型）の平均工賃は17,031円と非常に低く、到底暮らしていける水準ではないため、生きづらさを押し殺して働き続ける羽目に陥ります。

苦しみを紛らわすために精神薬やゲームに走って更に知能が落ちる

ギリ健の中には精神的な負担から逃れるため、「アルコール」や「精神薬」などのドラッグや、ゲーム中毒にハマってしまう人も少なくありません。

薬物を濫用したり徹夜したりする癖が身に付くことで、知能がさらに落ちてしまい、知的障害に近い水準にまで衰退していきます。

当然ながら、仕事のパフォーマンスに悪影響をもたらすため、ギリ健から抜け出せなくなる負のスパイラルが生じてしまいます。

ギリ健特有の負のループから抜け出す5つのステップ

知能が低いと仕事で大きなミスが生じ、待遇が落ちていく負のループに陥っていきますが、環境的な要素が大きいので努力すれば改善できます。

ここでは、ギリ健特有の負のループから抜け出す、5つのステップを解説していくので、生きづらさを解消したい方は最後まで目を通してみましょう。

過去の失敗体験による苦い感情を味わって自己否定感を手放す

「ギリ健」と呼ばれる人は、仕事のミスや人間関係のトラウマから強い自己否定感を抱きやすく、脳のリソースを過剰に浪費する傾向にあります。

経験を客観的に見つめて悲しみや怒りの感情を味わうことで、自己否定感を手放すことができ、失敗体験から来るメンタルの不調を和らげられます。

夜更かし癖や薬物依存から脱却して知能とやる気を回復させる

徹夜やアルコール依存はIQの低下を招き、ギリ健特有の症状を悪化させてしまいます。まずは、適度な睡眠を取った上で、不健全な生活習慣を改善していくことが大切です。

自己否定感から来るストレスが和らいだら、アルコールやゲームの依存から抜け出すことで脳の働きが回復し、学習意欲や行動力が自然と取り戻されていきます。

マインドマップとアルゴリズムを活用して思考力を身に付ける

IQの元になる思考力を身に付けるためには、マインドマップを用いて思考を可視化することが有効です。さらにアルゴリズム的な手順を学ぶことで、論理的な問題解決力が身につきます。

日頃から視覚的かつ体系的に考える習慣をつけることで、日常の判断や学習効率が大きく向上します。

プログラミングで成果を出して自信を取り戻す

プログラミングは具体的な成果物が形として残るため、努力が可視化されやすい分野です。小さなプログラムでも動く体験を積み重ねることで、成功体験が増えていき、失われた自信の回復につながります。

論理的思考力が身に付いてIQが向上するため、面接や仕事の面でも成果を出しやすくなります。

コミュ障でも受け入れてくれるIT系企業に入り頭の良さを証明する

IT系企業では、コミュニケーション能力よりもスキルが評価される傾向があるので、20代であればコミュ障でも受け入れられやすいです。

IQテストのような問題が出される、CAB適性検査で好成績を獲得することで、頭の良さを証明することにもつながります。

ギリ健の課題である「知能指数」の問題を解決できるため、仕事のミスによって生じる負のループを断ち切れます。

悪い生活習慣と低収入を改善すればギリ健の生きづらさを克服できる

ギリ健の問題である知能指数の低さは、遺伝的な要因で治らないと捉えられがちですが、生活習慣と金銭的な状況などの環境的な要因に大きく左右されます。

そのため、生活習慣と収入の問題を改善すれば、外的なストレスで脳のリソースを浪費しなくなり、負のスパイラルから抜け出せるので生きづらさを克服できます。

仕事でミスを繰り返してしまい肩身が狭いギリ健の方は、本記事の内容をしっかり理解して、知能指数の低さを改善していきましょう。